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20090820

野戦之月海筆子2009年東京公演 『ヤポニア歌仔戯(オペレッタ)-- 棄民サルプリ』


〈場所〉
東京 井の頭公園西園 特設テント
―――井の頭公園野外劇フェスタ2009

〈日時〉
2009年 10月31日(土)11月1日(日)2日(月)3日(火)6日(金)7日(土)8日(日)
毎晩 6:00受付開始 7:00開演

〈料金〉
前売り・予約 3000円、当日 3200円、中高生 1500円、小学生以下 無料
桟敷自由席(受付順入場)

〈チケット取り扱い〉
新宿模索舎 新宿区新宿2-4-9 電話 03-3352-3557

〈予約・問合せ〉
携帯 080-3736-9966 FAX 042-575-6643
E-mail yasennotsuki@softbank.ne.jp
URL http://www.yasennotsuki.com/

〈演員〉
渡辺薫、リュウセイオー龍、森美音子、ばらちづこ、つくしのりこ、崔真碩、武内理恵、志衣めぐみ、桜井大造、阿花女、太田なおり、瓜啓史、伊井嗣晴、阿久津陽子

 <野戦の月>が台北淡水河川原でテント公演「エクソダス」を行ってからちょうど10年が経つ。毎日昼下がりに決まって襲来する暴風とスコールで泥濘と化した土地に足をとられての舞台であった。

 公演終了直後、一人の台湾人老夫による「大日本帝国万歳!」という怒号とも賛辞ともつかぬ表現は、テントにいた全員に一瞬の判断停止状態を強いたが、すぐに腹を抱える笑いの受粉に変わった。終幕直後の台湾人老夫の一発によって、「エクソダス」という芝居はテントの場を構成する全員の腑に落ちたのだった。日本の貧しいテント芝居と台湾とを媒介したのである。
 かの老夫の乱調は、実はこの地域(東アジアの沿岸地域)の階調を示していたのではないか。近代史の波濤と波食、その乱調を表現し返すことで感受しあえるユーモアがあるとすれば、この海域はある種の階調のうちにあるのである。もしそうなら、表現における協働、共同は可能である。その後<野戦の月>は、台湾人の仲間の参加を得て<野戦之月海筆子>となった。

 今年の4月と8月、台湾の海筆子は集団内集団<流民寨>を結成してテント公演「無路可退」を行った。日帝敗北=復興から白色恐怖時代の乱調期に、階調をもって行動した両岸人民をめぐる芝居である。北の台北から南の高雄への移動テントで、日本の野戦メンバーが裏方で参加している。また、今年の8月、日本の野戦メンバーもまた<蒼天空>という集団内集団を作り「八月――蒼穹のウルリム」を公演した。沖縄と朝鮮と日本の女たちの言霊を谺(こだま)が媒介していく詩劇である。

 「棄民サルプリ」はこれらの行動・表現と連動して構想された。付け加えれば、来年に中国でのテント公演を準備している<北京テント小組>の動きとも深く関わっている。
 棄民――原義はともかくも、現在的には「50年前以上にもっと、立体的に不必要とされている者」――つまり私、という一人称単数は、海の壁をよじのぼって、わたしたちという三人称多数に変じることができるか。あるいは、サルプリ(厄解き)を舞いながら、日本という川の水系に黄海、琉球弧の海を招きいれ、この土地と自身に取り憑いた「乱調」を哄笑高く洗い流せるか。

 転生した阿Q、ヘタな魚たちが寄り合って、棄民の物語が始まる。
〈スタッフ〉
■照明 2PAC、松尾容子 ■音効 新井輝久 ■舞台美術 長友裕子、中山幸雄、山本泰子、小林純子 ■舞台監督 村重勇史 ■舞台 永田修平、田口清隆 ■設計 宮本泰成 ■衣裳 裸の鋳型 ■通信 濱村 篤、水野慶子 ■翻訳 胡冬竹 ■制作 野戦之月制作部、押切珠喜 ■協働単位 台湾海筆子、北京テント小組 ■印刷 制作室クラーロ ■協力 独火星、「山谷」制作上映委員会、竹内好研究会、国立木乃久兵衛、趙寿玉、チュムパンの会、台湾辛苦之王出版社 ■音楽 野戦の月楽団、原田依幸、張理香

〈交通〉
■吉祥寺駅南口→徒歩約20分 ■三鷹駅南口→玉川上水沿いを徒歩約20分 ■三鷹駅南口→
コミュニティバスで約5分「三鷹の森ジブリ美術館」バス停下車10分間隔で運行 ■吉祥寺駅公園口→小田急バス約10分2~8番のりば「明星学園入口」バス停下車


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